◆介護初心者向け◆介護現場のリアルな食事介助の手順マニュアル

食事介助って実際何をしたらいいの?注意する点は?


介護の仕事を始めたばかりの方の中に、このような疑問を持つ方がいらっしゃるのではないでしょうか?

食事介助は、ただ闇雲に食べ物を口元に運べば良いという訳ではありません。

嚥下機能が低下しているお年寄りの食事介助は、誤嚥・窒息などの危険が常に付きまとい、細心の注意をしなければなりません。しかし、教科書には、大まかな食事介助の方法は載っているものの、実際どんな準備をして、どのようにお手伝いすれば良いのか細かいことは記載されていない為、ほとんどの先輩たちは現場で経験して徐々に覚えていきます。そんな中、まだ経験を積んでいない職員が一人で食事介助に入るのは不安なものですよね。

では、実際に食事介助でどんなことに注意して、どのようにお手伝いすれば良いのでしょうか?

この記事でわかること!
◆介護初心者向け◆食事介助の手順と注意点

 

◆ 食事前の準備

<準備項目>




食事を摂る態勢を整える

 

食事をとる態勢を整える際、車椅子使用の方であれば、腰深く座り、車椅子のステップから足を下ろし、座位の体勢が前傾姿勢になるよう調整しましょう。(前傾姿勢になることによって誤嚥を防止します)体がのけぞってしまうようであれば、背中と椅子の背もたれの間にクッションなどを挟むと前傾姿勢を作ることができます。

もし、身長が低いなどの理由で、車椅子のステップから足を下ろすと座位が不安定になるようであれば、車椅子のステップより高さが低い足台を使って座位を安定させましょう。

◆ 配膳時の確認

<チェックポイント>


(お粥・普通のご飯か)

 

配膳の時点で、その利用者にあった食材の形状にカットされているか、味噌汁など水分にとろみが付いているか、お粥・ご飯の提供形態などを確認しましょう。食事提供の業者の方や施設に在籍している調理の職員が利用者によって形状を変えてくれていると思いますが、念のため配膳する際に最終確認を行いましょう。

食事の形態には、普通食・きざみ食(粗刻み・細かく刻む)・ミキサー食など複数あります。

● 嚥下機能や咀嚼などに問題がない方は、普通食。

● 嚥下機能はあるが、咀嚼することが難しい方は刻み食。

● 嚥下機能・咀嚼両方とも機能低下が見られるときはミキサー食やソフト食。

水分が少ない食材(サバやパン・さつまいも等)には、片栗粉やとろみ剤でとろみを付けた水を食材にかけ、飲み込みやすくしましょう。

よく介護の現場で提供される里芋は、冷凍の丸い形をしたものが多いです。この丸い形状が窒息を起こしやすく、普通食を召し上がっている方でも喉に詰まらせてしまうことがあり、要注意になります。また、ワカメのような口腔内に貼り付いてしまう食べ物も窒息を起こす可能性が大きいです。また、見落としがちなのが、麺類です。麺の形状も誤嚥を引き起こす原因となります。注意しましょう。

◆ アレルギーや禁止食が入っていないか確認

アレルギーの有無や食べ合わせによって副反応を起こしてしまう薬剤を内服しているかは事前に個人の情報が載っているケースで確認しておきましょう。

ワーファリン」を内服している方がビタミンKを多く含む納豆を摂取すると、血液を固まりにくくして血栓ができるのを防ぐ作用を弱めてしまいます。

カルシウム拮抗薬」を内服している方が、グレープフルーツを摂取すると血圧が下がりすぎたり,心拍数を増加させたりすることがあります。

◆  食事介助

● 食事介助の際は、職員は利用者の表情が見えるよう利用者の隣の少し斜め前に座りお手伝いしましょう。

● 主食、副菜、汁物、お茶を交互に食べて頂くことが基本ですが、意思疎通が図れる方であれば、ご本人に次に何を食べたいのか確認しながら介助しましょう。

● 誤嚥防止のため、口に入れたものを飲み込んだか確認してから次の料理を口に運びましょう。

● 片麻痺がある方であれば職員は健常側に座り、口の健側に食べ物を運びましょう。

◆  むせた時の対応

食事中にむせが見られた時は、左右の肩甲骨の間を、手のひらの付け根近くで数回叩きます。大体は、時間をおくと落ち着きますが、食後に咳が続いたり発熱するなど症状が出る場合は、誤嚥性肺炎の可能性があるため、医療機関を受診しましょう。

意識がなかったり、唇が紫色になりチアノーゼ状態であれば、すぐに救急車を呼びましょう。窒息を起こした時間、状況、救急車を要請した時間、家族への連絡など後から記録に残すことになりますので、時計を確認しましょう。

ハムリッヒ法

腹部の急激な圧迫により、異物を吐き出させる方法です。利用者が座っている状態で、その背後にまわり、片手でげんこつを作り利用者のみぞおちにおきます。利用者を抱くように反対の手でその手首を握ります。手首をを握った手ではずみをつけながら勢いよくげんこつをみぞおちに押しつけ、急激に腹部を圧迫します。

◆  まとめ

この記事では、介護の仕事を始めたばかりの職員の方に向けて、食事介助の手順と注意点を順を追ってご紹介させて頂きました。少しでも、参考になりましたでしょうか?食事介助は、細心の注意を払わなければなりませんが、そればかりに捉われず、食事の時間を美味しく楽しく過ごして頂くお手伝いができたら良いですね。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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