<介護初心者向け>介護現場のリアルな入浴介助の手順を紹介!入浴介助マニュアル

介護の仕事を始めたばかりの方の中に、入浴介助の際にどう動いたら良いのかわからず困っている方がいるのではないでしょうか?教科書には、大まかな入浴のお手伝いの方法は載っているものの、実際どんな準備をして、どう動けば良いのか、細かいことは記載されていません。ほとんどの先輩たちは、現場で経験して徐々に覚えていくものですが、まだ経験を積んでいない状態で、一人で入浴介助に入るのは不安なものです。

そんな不安を抱えながらお仕事を頑張っている介護職員の方に向けて、入浴介助の手順と注意する点を詳しく順を追ってご紹介していきたいと思います。

(1)職員の着替え

● 濡れても大丈夫な半袖とハーフパンツに着替える。

女性職員の場合、襟元が狭いデザインのトップスを選ぶと、屈んだ時に胸元が見えず安心して介助することができます。

気になるようであれば、フェイスタオルを首に巻いておくと安心です。

● 利用者の中にはC型肝炎やB型肝炎などの感染症を患っていらっしゃるかたがいます。自分自身に傷などがあったら防水フィルムなどで保護し、ウイルスや細菌感染を防止しましょう。

(2)脱衣場と浴室の室温の確認

ヒートショック防止のために室内の温度差がないよう調整しましょう。

脱衣場:冬であれば、暖房器具、夏であれば扇風機やあればクーラーで温度調整しましょう。

脱衣場と洗い場を敷るドアを開けておくと温度差が少なくなります。

(3)湯船の温度が適温か確認。

湯船の中のお湯の下部と上部では、温度に差がある場合がある為、かき混ぜて全体の温度が均等になるように準備しましょう。適温は、摂氏40度といわれています。

(4)着替えなどの準備

利用者の衣類の名前確認をしましょう。衣類に名前が記入されているか確認しておくと衣類の紛失を防ぐことができます。足拭きマット(滑り止めをつけるなどして転倒防止をしましょう)や入浴後に座る脱衣場の椅子に敷くタオルなどを準備しましょう。

(5)バイタル測定・体調確認・水分補給

◆血圧◆

事前に、普段の血圧がどのくらいか確認しておきましょう。お年寄りの方は平均の血圧が普段から高い方が多いため、普段に比べて高いか低いかによって入浴するか否かの判断すると良いと思います。しかし、血圧が極端に高かったり低かったりする場合は、施設在籍の看護師や上司に指示を仰ぎましょう。入浴することで血圧が下がってしまうことがあるため、普段より血圧が低い時は要注意です。

◆体温◆

体温は、極端に低い場合は、看護師、または上司に指示を仰ぎましょう。普段から体温が37度以上ある方は別ですが、そうではない方が37度以上熱がある場合は入浴を中止した方がよい場合が多いです。

◆体調確認◆

体調確認は、本人に口頭で確認しながら、表情、顔色、移動時の動きなど様子観察を行いましょう。異変がある場合は、報告し指示を仰ぎましょう。

(6)脱衣を行う

様子を見ながら介助を行いますが、出来るだけ残存機能を使ってもらうよう促しながら、脱衣をして頂きましょう。

(7)洗い場へ移動

冬場であれば、利用者が通る足場にお湯をかけて温めておくと床のタイルの冷たさに体が驚いてしてしまうことを防止できます。

移動の際は、歩行が不安定な利用者であれば介助し、歩行が安定している場合でも、ふらついた際にすぐに支えることができる位置にいましょう。

(8)洗い場に着いたら

手すりにつかまって頂いている間に、椅子の座面にお湯をかけて温めます。転倒しないよう注意しながら、椅子に座って頂きます。

シャワーを出してお湯の温度を確認します。

ボイラーで出るタイプのシャワーですと、お湯が突然に冷たい水に変わったり温度が変化することがあります。その為、常にシャワーの温度の変化に対応できるよう、自分の手をシャワーのお湯が当たる位置に置いておきましょう。私の場合は、シャワーのノズルを持っている手の人差し指をシャワーのお湯に当てながら介助していました。

(9)お湯をかけていく

お湯の温度が安定したら、利用者自身の手で温度を確認してもらいましょう。オッケーが出たら、つま先からスネ、太ももへというように、足元から体の中心部に向かってゆっくりとお湯を体にかけていきます。肩まで来たら、全体にかけて体を温めましょう。

(10)洗髪を行う

首から少しずつ上に向かってお湯をかけていきます。すすぎをし、シャンプーで洗っていきます。耳の中や顔に泡がつかないように注意しましょう。シャンプーの泡を流すときも同じです。

自分で洗える方の場合はお手伝いする必要はありません。見守りましょう。

利用者がシャンプーをしている間、肩にシャワーでお湯をかけてあげると体が冷えることがなく良いですね。

洗髪を終えたら、タオルで顔・頭・耳を拭きましょう。

(11)洗身を行う

フェイスタオルもしくは、洗身用のスポンジなどにボディーソープをつけ泡立て、背中を洗っていきます。

手の届く部位はご自分で洗身して頂き、届かない部位の洗身をしていきましょう。

このとき、体に傷やあざ・臀部にビラン、足や手に浮腫、肌に発疹がないか等、体の状態を確認しましょう。

入浴介助は、治療が必要な症状を発見することができる大切な時間です。後で、記録に残すことになるので、介助の隙を見てメモしておくと良いでしょう。

泡を流したら、いよいよ入浴です。

(12)浴槽へ入る

浴槽に入る動作は、転倒のリスクが高いため、どの方向から転倒しても支えられるよう注意しましょう。利用者には、必ず手すりにつかまって頂くようにしましょう。

利用者に湯加減を聞きながらお湯の温度を調節しましょう。

お湯から上がるときも転倒のリスクが大いにあります。また、職員の知らぬうちにお湯から上がろうとされる利用者が時々いらっしゃるので、たとえ他の利用者の介助をしていたとしても、入浴中の利用者に気を配る必要があります。

(13)上がり湯をかける

脱衣場に移動する前に、体全体にお湯をかけ温めます。温め終わったら、タオルで体全体を拭いていきましょう。

(14)脱衣場へ移動する

このとき、脱衣場の床が濡れていると滑って転倒してしまう恐れがあります。床が濡れていないかこまめに確認するようにしましょう。

(15)着衣の注意点

脱衣場の椅子に座って頂いたら、再度体を拭きましょう。

脱衣と同じく、様子を見ながら介助を行いますが、出来るだけ残存機能を使ってもらうよう促しながら、脱衣をしていただきましょう。塗布する軟膏などがあれば、医療用のゴム手袋をし軟膏を塗布していきます。(軟膏塗布は、看護師がやる場合があります)

最後に、ドライヤーで髪を乾かし、ブラシで整え、水分補給をして、入浴終了となります。

◆まとめ◆

この記事では、介護現場のリアルな入浴介助の手順を入浴介助マニュアルとしてご紹介させて頂きました。少しでも参考になりましたでしょうか?入浴介助は、転倒リスクや身体の状態の確認などで、常にアンテナをはり、なおかつとても体力を消耗する業務になります。時間内に終わらせることも大切なことですが、休憩をとったり水分補給しながらご自分を労わってお仕事していただけると幸いです。最後までご覧いただきありがとうございました。

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